清水 葵
新しいことが本当に楽しい!!
【中央大学商学部商業貿易学科3年】最近始めた就職活動。「みんな同じ」を強いられることを、「嫌」なだけでなく「変だな」と感じていた。就活セミナーよりも、起業家精神を養うプログラムに興味を惹かれ、「新しいことに出会う楽しさ」に夢中になっている。自分の思いに正直で、楽しいことには全力でで、おかしいことにもまっすぐに向き合う清水さん。これからの挑戦につながるわくわくした思いを語ってもらった。(2020.10)
自分を信じて挑戦志向
浪人していることもあって就職に焦りを感じていた私は、2年生の頃から就職を意識して短期のインターンやプロジェクト型の授業に参加していました。この10月からも長期インターンが始まり、明るかった髪の色を黒に染め、かわいいスーツを横目にリクルートスーツを買って準備をしながら、就活って嫌だな、と感じていました。さらに、自己アピールで口を揃えてアルバイトやサークルの話をすることや、就活必勝本が出回っていることを、なんか変だな、と思っていました。「みんなが同じ」はおかしいでしょう、と。決められた通りに従わされていることに、「なぜ?」という思いがあるんです。社会人として「社会貢献がしたい」という回答もピンときません。
就活セミナーに参加するモチベーションもなかった私ですが、小学校以来の友人が、起業家養成プログラム「SVJC」に参加して大きく変化した姿を見て、「私も参加したい」と惹かれました。SVJCではシリコンバレーで働く起業家や大学教授から価値観や多様な仕事のあり方の話を聞き、実際にビジネスアイデアを考え発表する場があります。その友人はSVJCがきっかけで、アメリカにあるプロジェクトの提携校に編入しました。渡米後も電話でお話をしながら、彼女が大胆・積極的・オープンになって自分の殻を破っていく姿に刺激を受けました。
SVJCのプロジェクトでDeruQuiの中川さんと同じチームになったことがきっかけで、ゼミに誘ってもらい、今に至ります。SVJCで出会った人とのコミュニティ活動もDeruQuiも、就活セミナーよりも将来のためになると感じています。「本当に大丈夫か?」と少々の不安はありますが、自分の思いを信じて参加していきたいと思っています。こっちの方が楽しいですもんね!
大学でのサッカーイベント企画。部門長を務めた。
違和感はきっかけ
何か特別なことをしているわけではなく普通に大学生活を送っているー、一方で今の生活や環境に何か違和感を持っている―、DeruQuiはそんな私にとって、同じような考えの人と出会える面白い場です。現状の教育への違和感を扱った回は、特に印象に残っています。メンターの斉藤さんの、大学での学びのスタイルとも共通する「保育園児の学び」についてのお話がとても衝撃的でした。SVJCでの友人と一緒に、その人が興味を持っている「教育について」お話した直後だったので、タイミングも良かったです。色々な人の話を聞いて、吸収したことを言語化をして自分に活かしていければと思っています。
「新しい、が楽しい」の発見
1週間参加したSVJCでの学びは全てが新しく、参加できて良かったな、と思っています。特に印象に残っているのは、Amazonのエンジニアの「身近な人にも自分の進化を見せろ」という言葉です。久しぶりに会う人だけではなく、毎日会うような人にとっても成長が顕著であるように目指しなさい、と言われ、自分の努力不足を思い知らされハッとしました。SVJCを通して、新しい人とお話をすることの面白さ、雑談だけでも学びがあることにも気付いたので、今、Zoom等を使いながら、週に1度は新しい人とお話するようにしています。元々人見知りだったのですが頑張っています!!
この経験を通して、浪人時代に「知らないことを知るのは楽しい」と気付いたことを改めて思い出しました。「辛かったでしょう」と言われる浪人生活は、勉強して新しいことを知っていける期間だったので、私は実は楽しんでいたんです。
大好きなものからビジョンを描く
SVJCの参加メンバーは皆やりたいことが明確で、自分の意見や専門的な知識もしっかり持っていました。大学の友人は、私がSVJCの話をすると「意識が高いね」と敬遠しますが、私はSVJCの人達のようになりたいと思いました。それぞれの意見から様々な分野の話を聞けるだけで面白いんです。
そんなSVJCでは、チームのリーダーに挑戦しました。しかし、プロジェクトで出されたお題「日本発、シリコンバレー経由、世界へ発信するサービス」は、最初は意味が分からなくて、どう進めたらいいのかまったく分かりませんでした。それでも、思いついたことをなんでも出しながら考えることで、アイデアがどんどん広がっていったことは大きな発見でした。
アイデアの最終発表会は本当に緊張しましたが、限られた時間しか与えられない発表を通じて、プレゼンテーションを学ぶことが出来ました。最初にビジョンを語って、課題や、それを解決するソリューションと提供する価値。起業家がピッチで使う構成らしいですが、今まで学校でやってきた自分の発表が取っ散らかっていたことに気が付きました...。発表時間が限られていたため、内容を「削る」こともとても大変でした。本当に時間が全然足りないんです。短期のプログラムでしたが、中間発表と比べると、最終成果では全チームが大きく進化したものを発表していました。
私は今、スポーツビジネスに興味を持って勉強しています。オリンピックがとても好きで、地元福井の元気のなさを、スポーツの力で変えられないかな、と思っています。さらに小4の頃からバスケが大好きで、社会に出てからも関わっていたいと思っていて―。といってもバスケットボール協会に入りたいのではなく、裏側からサポートする形で関わりたいと思っているんです。そんな大好きなもので挑戦ができたらいいなと、今「バスケで日本を元気に」、というビジョンを描いています。このビジョンも、色々なアイデアを書き出して、具体的な形にしていきたいと思っています。
切磋琢磨しあえるチーム作り
SVJCではリーダーを務めましたが、とても頼れる中川さんがいたので私は引っ張ることよりも雰囲気作りに注力しました。ミーティング中に無言になってしまう時、どうやったら意見を言いやすくなるかをずっと考えていたんです。それは、小学校のクラブチームから高校の部活まで、ずっとバスケでチームスポーツを行ってきた経験から、環境づくりの大切さを感じていたからです。
小・中・高とそれぞれ特徴の違うチームで異なる役職に就きながら、メンバーの関係性が大事であることを経験してきました。チームのエースとして周りから気を遣われることもありました。ただ、「同じチームにいるなら仲間」と考えていた私は、その対応がとても嫌で、対等な立場になれるよう壁を取り除くことを常に意識していました。具体的には、練習以外の時のコミュニケーションを大事にしたり、何かおかしいと思ったら声をかけたり一緒に練習したり。最初は初心者の子たちが控えめで申し訳なさそうにプレーしていて、経験者との間に壁がありましたが、最終的に、弱くてもみんなで同じ目標に向かって毎日取り組める最高のチームになりました。
もしキャプテンになっていたら、つぶれてしまってできなかったと思います。だから私は、先頭に立って引っ張るよりも、チームの中でみんなと一緒に進んでいくことが自分に合った役割だと感じています。ただ仲が良いだけではなく、切磋琢磨しあえて、相手のことを思って怒ったり本音でぶつかりながら、チームに貢献できることが理想です。
小・中・高とバスケを続けてきた。
キラキラした大人
SVJCやDeruQuiを通して色々な大人の方に出会ってきましたが、私が目標としたいのは「キラキラした大人」です。常に新しいことを学び続けて、仕事を楽しんでいる人は、かっこいいなと思います。
そんな存在で一番身近にいるのは父です。家ではぼーっとしていますが(笑)、常に勉強していて新しい挑戦を続けています。父とは、仕事や将来の話をよく話します。「こういう人になりたいんだ!」と私が言うと、面白い企業を教えてくれたり、生き方の相談に乗ってくれたり。父と似ている、と言われることは嫌なのですが、それでも似ているらしいです(笑)
「新しいことを知る」ということは、これから一生続けていきたいと思っています。私はミーハーなので、面白そうなことにはすぐに飛びつくんです。そこから何かしらは学んだり感じたりはできているので、良いかなと思っています。最近の活動で、自分が「変わっていくこと」の楽しさに気付きました。楽しいことを見つけていって、そこから自分で考えた新たな挑戦が出来ればいいな、と考えています。