町田 大佳

天職で活躍したい

【金沢大学人文学類 3年】興味を持ってきたことにたくさん挑戦し、特技も磨き続けてきた町田さんに、今転機が訪れているという。得意を活かし、収益も上げながら長年続けてきたブログに、「何か足りない」と思ったのはMission,Vision,Valueの考え方に出遭ったから。今、自らが描く目指したい社会像を模索しながら、自分が信じる道を前へ進んでいる。(2021.05)

自分の時間が今動き出した

「力を入れて取りんでいることは何ですか?」と聞かれたら、数週間前であれば間違いなく「2年間続けているブログ」と答えました。他にも大学に入ってから、好奇心の赴くままに取り組んだものが15くらい。そこで色んな文化に触れ、結果として成長しました。しかし、DeruQuiのゼミで様々なことを学んだ今、「力を入れて取り組むこと」の答えを、改めて探しているところです。

以前はブログで生きていきたいと思っていましたが、そこには信念がないと気づきました。文章力という「得意」と、「お金」への欲が先に来てしまっているなと。「得意」は人に褒められるし、「お金」にも結び付けやすい。でもそれは多分永遠には続けられず、嫌になったら辞めてしまうんですよね。だから「社会をこうしたい」という熱意が必要なのだと感じています。先日のゼミで学んだ「天職」の考え方で言えば、「好きなこと」「得意」「ニーズ」が合致したもの、それでいて熱意をもって行えることで社会に貢献したいと思っています。


物語の主人公たちは、多くが高校生くらいで成長するイメージです。現実でも、できるひとは高校生のころから動いている…。一方で私の場合は、中学生の頃から停滞していたように感じます。それがここ最近、価値観が大きく変わっています。自分の時間が今動き出した、という実感があります。

チャンスを広げたい

私は、どんな人でも活躍するための才能を持っていると思っています。自虐している人も、才能がまだ人目についていないだけ。だから、強みを見つけ伸ばしていけるDeruQuiのような場がもっと一般的になるように広げていきたいと思っています。私がDeruQuiに出会えたのはゼミ生の舟橋さんとの縁。それがなかったらたどり着くのはなかな難しいというのが現状です。DeruQuiは、活躍をしたいあらゆる人に薦めたいもの。すでに強みを活かし、やりたいことで活躍しているメンターの皆さんからアドバイスをいただけるので、成長に繋がっています。

強みを考える上で大事にしたいのは、現状の枠に捉われない俯瞰視点。例えば、「体が強くて関節が柔らかいから、柔道で一位になれる」というような既存のルールの上でどう勝つかという考えでは、全ての人が活躍するというのは難しいでしょう。しかし、自分の強みをもっと大局的に見つけられれば、そしてそれを活かせる場所を作り出せれば、多くの人が熱意を持ってやりたいことで結果を出せるのではないか。楽観的かもしれませんが、そう考えています。

俯瞰的に強みを考えられるようになれば、今は雲の上の存在のように感じる人に対しても、結局は同じ人間だと気づけるだろうと思います。大統領やセレブ、有名なYouTuberに差を感じるのも、フォロワーの数やトーク力といった、表面的な1つか2つのスキルで判断しているからに過ぎません。挑戦をし、自分に自信を持てるようになれば、潜在的な強みの部分で共通しているものが見えてきます。意志さえあれば、今は別世界に感じているような人とも対等に話ができるようになるのではないか、と考えています。

実現したい社会を描く

私が実現したいのは、「活躍したい全ての人が活躍できる、本当の意味で皆が主役になれる社会」です。

活躍のために必須なのはまず、自分を「知る」ことだと思います。そして自分を肯定し、できることに挑戦してみる。挑戦を繰り返すことで、熱意を持ってやりたいことが明確になってくるのでは、と考えています。成功体験を増やせれば、自分に自信も持てるようになるでしょう。


このように、実現したい社会のイメージは湧いてきました。次は、具体的に自分がどうアプローチするか。ゴールを大きく設定しているので、中間のマイルストーンであったりスモールステップとしての具体的な部分が必要だと感じています。でもそれは、まだまだ悩んでいるところ。選抜コースなどを通じて、色々な人の意見を聞きながらそこを描いていきたいです。そのためにも各テーマに全力で臨み、これまで以上の成長を見せたいです。

目指す社会での学生と企業

今の就活は、欲しい人材が企業によらず一緒だなと感じます。人材という言葉もあまり好きではありません。人は資源ではなく、得意や個性、やりたいことを持っています。それらを企業が理解してマッチすれば契約、という形もできたらいいなと思います。しかし今の就活は、コミュニケーション能力が高く、英語もでき、プログラミングもできればさらに理想でー。そんな模範解答生になって、企業に”とっていただく”形になっていることに違和感を覚えます。学生が自身の存在を資源にしているな、とも感じます。

就活という言葉が珍しい言葉になってもよいと思うんですよね。自分のやりたいことを実現する選択肢の1つとして、企業の仲間に入れてもらうという形があるくらいの。学生もそのために、自分のやりたいこと、得意なこと、社会のニーズを把握する必要はあります。そういった土台ができれば、1人で自分のやりたいことを実現したり、仲間になってほしい企業にアポイントしてみたり、といった社会になるのではと思います。私の目指す社会の言葉で言えば、企業と学生は対等で、友達のような関係になるのが理想だと考えています。

まずは自分

理想の社会像、Missionをこのように描いていますが、これが本当に理想の姿なのか、実はまだ悩む部分があります。例えば私が、誰もが挑戦するためのヒントを提示したり、挑戦の場をつくったとしても、その機会を活かすかどうかはその人次第です。また、自分に自信が持てなくて苦しんでいたり、自虐をしてしまったりしている人も、人生において今はその状態が必要な時期なのかもしれません。結局皆、自分で選択した結果の「今」を生きているんです。

だから私は、自分が熱中できることを全うしたいと思っています。その結果として、誰かがポジティブに変われるような影響を与えられたら嬉しいなと。世界を舞台に体当たりで挑む冒険バラエティー番組、『世界の果てまでイッテQ!』のようなイメージで、好奇心を活かしてたくさんの挑戦をし、それを公開していけたら面白いなと思っています。継続している雑記ブログは、「ゲーム」や「成長」といった自分の興味を追求しつつ、言語化や分析といった自分の得意・強みを活かせるので「天職」に近いかもしれないとも思えます。これに熱意を加えて取り組めるようになれば、と思っています。

Missionという考え方のおかげで目標が見えてきた今、鍛えてきた体力・精神の両方でタフさも備わってきました。もしかすると出遅れ気味かもしれませんが、熱意を持って、まずは自分が充実した時を過ごせれば。そんな気持ちで精一杯やっていきたいです。

編集後記

世の中を広く見渡し、自分のポジションを見つけながら、全ての人がより良い人生を送れるような社会像への想いを膨らませている…、そんな町田さんに頼もしさを感じます。様々な立場の人を尊重し、他者に勇気を与えようとする温かな優しさと、多様な観点から「幸せ」を考える真剣さを兼ね備えるのも魅力の一つ。今回は、「転機」にいるからこその溢れる想いを伺えて、力強いエネルギーを感じています。(岩崎咲耶)