吉長 綾香

今日死んでも後悔ない人生を

【エトヴェシュロラーンド大学 大学院1年】「やらない後悔よりもやって後悔」をモットーに、挑戦と努力を繰り返してきた吉長さん。留学での英語の苦労が、自分のような思いを他の人にはさせたくない、という強い想いになり、英語教師を志している。今までの様々な経験で何を感じ、今、そしてこれからにどう影響しているのだろうか―。(2021.04)

世界に通用する英語教育を

現在はハンガリーの大学で異文化コミュニケーションを勉強しながら、英語教師を目指しています。ハンガリー留学の前は、アメリカのオレゴン州ポートランドに留学して、日本語を教えるインターンを行っていました。アメリカ留学したのは、自分が日本語教師になりたいか英語教師になりたいのかを見極めるためでした。

なぜ日本語教師ではなく、英語教師を選択したのか。それは好きで自信もあった英語が通用せず、今まで何のために勉強していたのかとショックを受けたからです。簡単な英語でさえもカミカミで、リスニングに至っては嫌になるくらい聞き返して、とても辛い思いをしました。この辛い思いや挫折を他の人に味わってほしくないですね。

日本では先生中心の一方的な授業になっています。内容も、受験知識として文法や単語が重視される。私が本格的に教員を目指すようになったのは、「どうやって教えたら効果的に学習できるか」というティーチングに興味を持ったからです。その原点と留学経験を活かして、「実際に話す」ことを大事にした英語教師になりたいと思っています。

ポジティブに続ける

私は自分に厳しく、すぐ納得しないタイプで、自分に負けるのがすごく嫌。だから最初は通用しなかった英語も、「まだできる、まだできる」と自分を鼓舞していました。そうやって安易に納得することなく勉強し続けたおかげで、通用するようになったと思います。

小学校から大学まで続けてきた剣道でも同じです。打ち合いの時も「後ろに下がって休憩するくらいなら、こけてぶっ倒れるまでやってやる!」という精神で練習していました。筋トレをしていても、まだできる自分がいる!と思っています。


そんな剣道ですが、推薦で剣道を続けられる高校に進むか、いわゆる進学校に進んで諦めるかという選択肢がありました。私はどうしても剣道を続けたかったので、学力を重視したい母に土下座して剣道を続けることに。そこまで押し通したからには、と、高校でも剣道にどっぷり浸かって練習に励む中で、県で優勝することも出来ました。ありがたいことに私は優勝できましたが、もちろん全ての人が目標を達成できないかもしれません。それでも続けることに何かしら価値があると思っています。

というのも、大学受験では、いわゆる失敗をしました。当時は希望の大学に進めず死にたいと思うくらいでしたが、大学に行って楽しかったですし、この大学に行ったからこそ出会えた友人もいます。だから、あの受験の経験はあって良かったのだと思えます。このようにポジティブに捉える考え方を大事にしていて、日記にも「まだいける、頑張れ」と最後の言葉をポジティブに鼓舞するように締めることもよくあります。

「今」を生きる

高校進学で剣道の道を選択した際、母からは「剣道を活かした職に就くように」と言われ、警察官になるのかなと、高2の頃まで漠然と思っていました。しかし高3の時に、「英語いいな」とふと思い、外大を志望するようになりました。剣道活かした職業は警察、と言われながら、実は違和感があったのかもしれません。英語が好きだな、と考えながら、ぱっと思ってしまったんです。母からは「えっっっ!あんた、警察官は?」と驚かれましたが(笑)。そうして剣道と英語ができる大学に進学。押し切った分やらないと、と思っています。

今は就活の時期で、コロナのこともあって、将来どうなってるんだろうとよく考えます。5年後10年後はどんな自分になってるんだろうと。でも、結局どうなるかは分からないですよね。明日、考えがポンと変わるかもしれません。だから結局、今できることを一所懸命に取り組むしかないという考えにたどり着きます。今の目標がそれならば今はそのために。将来について不安に思うことはあまりなく、何とかなる!と思っています。

個性を出せるって素敵

私は、自分たちの個性が尊重される社会を目指したいと思っています。それは、ポートランドに行って、LGBTといったマイノリティの方々が周りを気にせずオープンにしている姿を見て、素敵だな!と思ったから。それと比べて、周りの意見を気にしすぎて自分のやりたいことをなかなか言えない日本は生きづらいのでは、と思います。私も最初は「自分の意見も大事」という考え方は衝撃的でしたが、段々慣れてそちら寄りになっていきました。

マイノリティの人は、10人に1人はいるらしいので、30人クラスだと3人。たった3人と見るか、3人もと見るか。私は後者で、自分の意見をしっかり言いたいですし、受け入れられる人でありたいと思っています。

そのためには、たとえ友達が「そういうマイノリティな意見は言わない方がいい」と言ってきても、「それは違う」と言える勇気が必要だと思います。実際、私も派遣のバイトをしたとき、「女性は体力仕事ができない」と決めつける上司に出会ったことがあります。その上司が「片付けの日には女性ばかりのグループは不要だ」と言ったんです。「ん?」と思いました。誰も何も言わない中、「違うんじゃないか」と言ったら場の雰囲気は悪くなってしまいました。シフトに入れないこともありました。それでも、言っていくことが大事なんだと思っています。


見えないところで洗脳されていることは本当に多く、気づかないうちにそうなっていることが怖いな、と思います。例えば、女はピンク、という思い込みが勝手に刷り込まれていて、黒いランドセルの子を見て、「あれ?女の子なのに黒なの?」と思ってしまうのが怖いなと。そういった考え方は、育った環境に影響される面が大きいのではと思っています。

私自身、自分の意見を言いにくい日本からポートランドに渡り、はっきり言わないことで苦労も失敗もしました。でも、自分と違うバックグラウンドの人と話せると、刺激をもらえる。そうやって刺激をもらうのが好きだなと感じています。将来は子どもたちが平等に、公平に評価され、長所や個性が活かされるような教育を作っていきたいと考えています。今も、授業をする時は、まず自分が楽しむことを大切にしています。

DeruQuiで発見した本質を見る面白さ

DeruQuiに参加したのも、いろんなバックグラウンドを持つ人と交流したいと思ったから。そんなDeruQuiで、「本質を見る」という考え方を知り、面白いと思っています。「Rizapの何が凄いのか」など、今まで気にしていなかったことに疑問を持つことで、考えが広がることを知りました。違和感を感じたら、どうして?なんで?という疑問を持つようになりましたし、そこから常に物事の本質を見るように取り組めています。

選抜コースでは、いろんな視点から自分を客観視して刺激をもらい、人間的に成長していきたいと思っています。そしてそれを将来教育の場で生かしていく、そんな機会にしたいです。

編集後記

留学先でも失敗も、進路選択時の苦労も、想いが伝わるように、でもとても明るくお話してくださいました。今に至るまでの紆余曲折を、真剣かつポジティブに向き合ってきたことがよく伝わりました。これまでの人生に後悔がなく、これから先も何とかなる!と笑顔で言い切る姿は、こちらまで明るい気持ちにさせてくれます。様々な問題に目を向けつつ、毎日を全力で生きる吉長さんがとても頼もしいです。(岩崎咲耶)