山浦 稜太

脱線して価値を生む

【富山県立大学 4年】ゼミでも多様な視点を活かし、何か爪痕を残そうとする山浦さん。普段から、議論をあえて脱線させることで発想を広げるきっかけをつくっているという。目的は、新しいアイデアを出し、活気を生むこと・相手を喜ばせること。その原点はどこにあるのか、またどんなところで活かされているのだろうか。(2021.04)

危機感から始めた課外活動

高校卒業後の春休みに、こたつでYouTubeを見ながらふと「このままじゃダメだ」と思いました。「社会に出て人と関わらないと」、「学生と会うより大人と会いたい」と思い立ち、学生団体COCOSに参加しました。

COCOSでは、地域や青年会議所の方たちと共に、富山県が抱える地域課題の解決に取り組んでいます。活動を通じて、目上の人とのやり取り、広報など多岐にわたる経験をすることができました。工学部でただ勉強しているのでは絶対に得られない、貴重な経験です。

振り返ってみると、学生のうちに色々やってみることは大事だなと感じます。学生=半分子供/半分大人な存在であるおかげで、失敗しても取り返しがつく。先生をはじめ、味方になってくれる大人がたくさんいる環境だったことは大きいです。


失敗と言えば、昨年は代表を務めましたが、コロナの影響で苦労しました。新しい状況下での運営となり、オンラインの環境づくりや、それを使ってもらうための説明など、どう立ち回るかを考えさせられました。今は次の世代に引き継ぎをしていますが、上手くいかなかったからこそ、教訓として残したいと思っています。指示などの形ではなく、あくまでこういった経験があったという共有の形にすることは意識しています。

コミュニケーションを活かして働く

昨年COCOSが、市役所の方々と一緒にSDGsに関する活動をしていたことで、学会発表のお話をいただきました。学生と地域が一緒になって取り組む事例は珍しいらしく、招待講演の形です。SDGsに対するとっかかりにくさを解消する活動をしており、すごろくを使ったゲームを作りました。今年はそれを使ってワークショップをやるのかもしれません。

今回は、市がパートナーシップを達成するために学生と一緒にやりたいということで話をいただきました。しかしCOCOSの知名度などが高いわけでもないので、外部の団体とはこちらから積極的にアプローチをしてつながりを保つことも大事にしています。

もともと人と話すのを楽しめるタイプで、小学生の時に生徒会長をやったり、ボランティア好きの先生についていってお年寄りとの交流に参加したり。そうした経験が、今に繋がっているのかもしれません。


卒業後はシステムエンジニア(SE)として、コミュニケーション力を活かして活躍したいと考えています。SEは相手の要望をきちんと受け止め、捉え、システムの中身が分からない人の想いを叶える仕事。だからこそコミュニケーションが大事な仕事なのだろうと。知能ロボット工学科で学ぶ中で、情報処理が好き、向いていると感じていることもあり、それならばSEが良いのではないかと考えました。

脱線させて発想を広げる

普段から、なるべく多角視点を意識し、人が考えないことを考えようとしています。だから、話を脱線させるのが好きですね。皆で話していると同じような意見になって鎮まってしまいますが、そんな時にあえて、はじいて脱線させる。すると違う視点からとっかかれるようになり、新しいアイデアが出てきます。今までにないアイデアが出てくるのは、まさにそういった時だと思います。

ベースにあるのは父の影響です。小学校の工作で、好きなものを作って発表する機会がありました。人と違ったものを作りたいと、父に相談。楽しめるし、周りも作らないようものを提案してくれる父のセンスがカッコよく見えたんですよ。中学生の時にクラスのロゴを作ろうとした際には、ビールのロゴを持ってきて「うまい奴から学べ」というアドバイス。全く違うジャンルから持ってくる斬新さが凄いなと思います。


一方でむやみやたらに脱線させないようにも意識しています。適当に脱線させるだけでは、ただの邪魔ものなので。「凝り固まってるから敢えてこれを持ってきた」という言葉を添えて説得力を持たせるなど、脱線させることに責任を持つようにはしています。あとは「相手を喜ばせる」意識も。そんな意識を持ちながら、決められた範囲の中でちゃんと芯を捉え、いかに突き出せるかを考えています。

自分を語れるように

DeruQuiにはゼミ生の山﨑さん、高岡さんから誘われて参加しました。Webサイトを見て、楽しそうで、個性的な人が集まる場所だと直感的に分かりました。参加の目的は「自分を知りたい」。就活で自己分析を受けたときに、合っていると納得しつつ、「本当に自分か?」が理解できない。そこが違和感として引っかかっていたので、色んな場所に出て色んな人の話を聞きたいなと思っていました。

自己紹介をするとき、多くの人は名前と趣味を語りますが、自分の性格や、自分の考えまで言える人はすがすがしい―。私は話を聞いて、その人に合わせて共感するタイプなので、特にそう思います。DeruQuiに集まる人は皆すがすがしい人たちで、「自分はこう思う」と言えるのがカッコよく見えるし、私自身そうなりたいです。自分を語ることができるって大事だなと思います。

個性を発信し、凄い日本へ

DeruQuiのゼミには個性的な人たちが集まっていると思います。皆持っているものがあり、だからこそ、その考えに触れることで刺激を得られています。「あ、その考え方か」「なるほど」と毎回圧倒されていますが、同時に「負けていられない」と思っています。

自分の身の回りには個性的な人が多いですが、個性を伸ばせていないのがもったいないなと思います。皆それぞれ個性があるので、DeruQuiのような場を通じて個性を伸ばしてほしいですね。

個性を伸ばすこと以外に大事なことが、「発信」だと思っています。周囲の人たちを見ていると、楽しく色々なことをやっているけれど、発信することなく身内で楽しんでいる。強要することはありませんが、それを発信すればもっと仲間が増え、より活気が溢れるのになと感じます。皆が個性をもっと伸ばして発信し、コラボし合えたらいいのではないかな、と。


アメリカなどを見て思うのは、皆個性が強く活気があるということです。人によって積む経験は異なり、同じ分野でも人によってアプローチの仕方は変わってくる。個性が強く、それを発信しているから、ありえないことも起きるのかなと想像します。私は個性や一人ひとりのストーリー・経験を大事にしていますが、色々な人が素敵なストーリーを持ったキラキラした人になってほしいと思います。そして「日本凄いぞ」と言いたいですね。

編集後記

様々な質問に対し、分かりやすく、しかも上手く話を広げながら丁寧に答えてくださり、コミュニケーションの上手さを実感しました。さらに、一つひとつの人やモノに真剣に向き合い、全力で楽しんでいる様子にも凄さを感じています。「後悔のない人生」の言葉も納得で、これまで脱線して選択肢を広げながら決断を重ねてきた山浦さんの、今後さらに広がっていく可能性にわくわくさせられています。(岩崎咲耶)

山浦さんとの対話録

vs 足立零生


筆者自身、これまでに様々なチームの代表を行ってきたが、うまくチームがまとまらず、そのまま解散してしまったこともあった。…