森口 未菜

私のペースで、私らしく

Highline College 1回生センター試験直前に、日本の大学への進学を止めて留学を決意した、森口未菜さん。現在はアメリカはシアトルの大学で本留学をされています。なぜ、突然留学を決意されたのか。そして留学をしてみた今、何を感じられているのか。お話を伺いました。(2021.08

もう受験なんていいや。私、アメリカに行く

小学生の頃から海外や英語に興味があり、アメリカを舞台にした映画やドラマをよく見ていました。

自由でおしゃれで、いろいろな価値観を持った人がいて、そんな世界にすごく惹かれて。いつかは私も、ニューヨークやカリフォルニアに行ってみたいと思っていました。

高校生の時に語学研修でオーストラリアを訪れたのですが、英語を話せない自分にすごくショックでした。でも同時に「海外に住みたい」「海外で勉強したい」という思いがわき上がってきたのを覚えています。

その後大学受験のために勉強をしていましたが、センター試験2日前に家に届いていた留学のパンフレットを偶然目にしたんです。見た瞬間に心のときめきが止まらなくて「もう受験なんていいや! 」となりましたね。

看護師の母の背中を見て育った私は、母のように人に尽くす仕事にとても憧れがあり、将来はホスピタリティ業界を志望していました。でも、オーストラリアに行ったことでその夢を、英語を使って海外で実現できたらと思うようになっていました。パンフレットにあった「留学」の2文字は、私がずっとやってみたかったことを一瞬で思い出させてくれました。1年半頑張ってきた受験勉強をあっさり止めてしまったほど、迷う気持ちは全くありませんでした。

自由奔放に、フォーカス・オン・ミー!

高校卒業後は留学の準備をするためにNICという教育機関で1年間勉強をしていました。NICには個性あふれる人がたくさんいて、彼らといると「自分をもっと出していいんだ」「自分が思っていることを発言していいんだ」と思えるようになりました。

というのもNICに来るまで、他人と違う意見を持っていても、「みんなそう言ってるから」と自分の声を押し殺すことが多く、疎外感や孤独感を覚えることがよくありました。

でもここでは違うことが当たり前というか、お互いの意見が違っていても「そんな考え方もあるのか」と理解してくれる人がいて。変に気を使わずに何でも言い合える仲間に出会えたことで、すごくポジティブになれた気がします。彼らがいるからこそ、何でも前向きにチャレンジしていいんだなと今も思えています。支え合える仲間がいるのは本当に心強いですね。

1年間の準備を経て、今はシアトルの大学で留学をしています。私が住んでいるところはホームレスの方がたくさんいたり街中からウィードの匂いがしたりと、幼い頃に想像していたきらきらとした世界とは全然違って、環境的な面ではとてもショックでした。

でもアメリカに来てすごくいいなと思ったのは、みんな他人のことなんて気にせず、自分の人生にだけフォーカスを当てて生きていることです。私は何でも他人と比べてしまいがちで、特に身長が小さいことがずっとコンプレックスでした。でもここでは、私が出会った人たちは誰もそんなことを気にしていなくて、自由奔放に生きているんです。それが本当に居心地が良くて、アメリカの大好きなところです。

私のMVVって何だろう

他人と比べる必要なんてないと思わせてくれたのは、DeruQuiもそうです。「共感ワークショップ」で自分の過去についてお話させてもらった時に、ゼミ生からいろいろな視点で前向きなフィードバックをいただきました。自分で気づけていなかった自分のよさを知ることができて、自己肯定感が上がり、自分のヒストリーに自信を持てました。

またDeruQuiのゼミに参加したことで、新たな気づきもありました。特に衝撃的だったのは自分のMVV*1を考える回です。これまで考えていたことや実現したいと思っていたことが、MVVによってより鮮明になり、どうやってミッションに近づいていくかを具体的に考えるきっかけになりました。そして、MVVは自分の想いを人に伝えるためのものでもあるので、言語化の大切さと難しさをすごく感じました。

ゼミではゼミ生もメンターも個性が爆発していて、皆さんのユニークな視点と秀逸なワードセンスに毎回驚かされます。私も視点と言語化を磨いて、広い視野を持ってコアを捉えられるようになりたいです。

*1 Mission・Vision・Value の略

やってみたいことには、すべてチャレンジする

留学をするまでは、同級生と1年遅れでの大学生活に不安がありました。でも今は、急がなくてもいいからここでの経験を大事にしようと思っています。インターンにもチャレンジしてみたいですし、ホスピタリティや英語のほかにも社会学や海洋学などいろいろなことに興味があるので、学びたいことを全部学んでから次のステップに進もうと考えています。

これから主軸にしていきたいホスピタリティ分野から、自分のMVVに掲げている平等、個性、多様性、グローバルにインフルエンスできるように、今はさまざまなことにチャレンジして吸収していきたいです。

またDeruQuiに参加した時に、ゼミ生・メンター・スタッフの皆さんからいつもポジティブな声をかけていただけることが、すごくうれしくてありがたいなと思います。そんな言葉をいただくたびに、前向きになり自信を持つことができています。私と関わってもらった人にもそんな気持ちになってもらえるように、ポジティブで前向きな声をかけられるような人になっていきたいですね。

編集後記

終始きらきらとした笑顔で話される姿がとても印象的でした。その理由を尋ねると「周りから”笑顔の方がいいよ”とよく言われるのと、私自身が人の笑顔に救われるからです」と。何に対してもご自身の「うれしい」「やってみたい」といった気持ちに素直になって行動されているところにすごく魅了されました。森口さんならではの豊かな感性とエネルギッシュな行動力が、これからどんなふうに彼女を導いていくのか、ますます楽しみになりました。山田雅