あだたん!!!!

代表:野村夏希

土佐弁で「器に収まりきらない」を意味する「あだたん」は、高知県日高村の魅力を発掘・発信すべく活動する高知大学公認サークルです。
2020 年から新型コロナの影響で思うように活動できない中、新企画「フォトラリー」を立ち上げ、2021 年 9 月現在クラウドファンディングにて資金集めに挑戦中。
代表であり DeruQui ゼミ生でもある野村さんとあだたんメンバーに、挑戦への想いを伺いました。

インタビューメンバーの紹介

(左上)あだたん代表 野村さん

(右上)右腕 兼 会計 篠原さん

(左下)期待の1 回生 石川さん

(右下)インタビュアー 松井

2021年9月25日 Zoom にてインタビューを実施

現状維持への違和感とコロナ危機

フォトラリー開催の経緯を教えてください

あだたんはこれまで、日高村をフィールドとする NPO 団体と「日高メシふぇすてぃばる!!!!」を共催するなど、毎年恒例のイベントを中心に活動をしてきました。私 (野村さん) は 1 回生で代表に就任し、「これまでの活動を引き継ぎ、あだたんを存続させる」を目標として掲げていました。しかし日高村の魅力を知り、村の方々と交流する中で、「本当にこのままでよいのか?」と違和感を抱き始めます。

そんな中、新型コロナの感染拡大のため、大学から厳しい活動制限が掛けられ、これまでと同様の活動ができなくなります。2020 年も「メシふぇす」は開催されましたが、大学からの制限の関係であだたんは「主催」の形を取れず、NPO 団体の「お手伝い」へと規模を縮小した活動になってしまいました。そして「本当にこのままでよいのか?」という違和感が強くなり、新たな企画「フォトラリー」を立ち上げました。

ー ウォークラリーの進化版であるフォトラリーには、どんな思いが込められているのでしょうか?

1 つは「後輩が日高村の魅力に触れる機会を増やすこと」です。日高村はとても魅力的な場所であり、村の方々との交流もとても価値のある経験になります。しかしコロナ禍ではなかなか難しい。そこで、「安全に行える屋外イベント」であり「今まで足を運ばなかった場所で魅力を発掘」できる「フォトラリー」を思いつきました。4 月に行ったプレイベントでは大学の 1, 2 回生に参加してもらいましたが、狙い通り様々な魅力に触れて楽しんでもらえました。

もう 1 つはもちろん日高村への想いです。日高の皆さんはこんな状況でも「あだたんだったらいつまでも待つから、一緒に何かしよう」などと温かい言葉をかけてくださいます。そんな想いや、これまでの感謝にぜひ応えていきたいですね。

ー 大学次第で開催できない可能性もある非常に難しい状況での挑戦です。それでも諦めることなく挑むのは何故でしょう?

諦めてしまったら実現できないですし、1% でも可能性があって、そのチャンスを与えていただけるなら挑戦したいですよね。3 回生である私は今年の 11 月で引退となり、今回が恩返しのラストチャンスです。地域と関わる楽しさなど、日高村では多くのことを学ばせてもらいました。それをコロナだからと諦めて恩を返さずに終わってしまうー、そんな選択肢は私にはないですね。

2020 年 4 月に実施したフォトラリーの様子

 「楽しかった!」
 「もっと大きなスケールでやってみたい!」
などの声が寄せられるなど、参加者の 94% が「満足した」と回答する成功を収めた。

情熱のサーバントリーダー

ー 4 月のプレイベント、11 月の本番のためのクラファン準備など、ここまで様々なことをやってきた中で、得たものは何でしょう?

DeruQui では「情熱の人」とよく言われてきましたが、情熱ではダメだと痛感できたことが大きいです。クラファンのページを作るにあたり、「自分たちにどれだけの熱意や使命感があるか」を伝える必要がありましたが、それがとても難しくて。。。「使命感ってそもそも何?」や「どうやったら想いを伝えられるのか」など、情熱だけでは解決できない問題にぶつかりました。独りよがりの情熱だけではダメなんだなと。
それでも様々な人の協力を得ながらページを完成させ、無事クラファンをスタートできたことで、成長できたと思います。

ー 他にリーダーとしての苦労はありますか?

チームマネジメントについて苦労と反省の毎日です。あだたんの後輩たちに対する分析が全然足りず、一人ひとりが「どんなことが得意」で「どんなことに興味があるのか」をまだ掴みきれていない部分があります。そのため、適材適所で仕事を振ったり、「楽しい!」と思わせることが十分にできてはいないと思います。

ー とても興味深い話ですね。リーダーとしての在り方をさらに聞かせてください

あだたんの代表になった当初は「自分が引っ張っていかないと!」と思っていました。同期のメンバーとの情熱のギャップに、不満を感じることもありました(笑)
しかしその後、メンバーそれぞれに得意分野や特徴があって、それを活かすのがチームだと理解しました。DeruQui のゼミでも学ぶところですね。そこから、実はメンバーに支えてもらっている面もあることに気づき、「引っ張っていかないと!」というのは傲慢な考えだったと反省しています。皆が支えてくれて、その上に立たせてもらっているのだと、今は思えています。

ー メンバーの個性を分析し活かそうとするなど、サーバントリーダーを意識されているように思いますね。石川さんから見てリーダーの姿はいかがでしょう?

今まで見てきたリーダーは我が強く、後輩のことを丁寧に分析する人はいなかったように思います。野村さんは自分たち後輩のことをしっかりと見て、発言させようと配慮してくれて、新しいリーダー像という感じで見ていて楽しいです。

ー まさにサーバントリーダーですね。同期の篠原さんからはどう映っていますか?

自分とは真逆の情熱を持った人というのが今日までのイメージでした。後輩や団体への想いは実は今日初めて聞いた部分も多いのですが、メンバー一人ひとりのことをしっかりと考え、意見や話を聞いてくれたり、その先に団体のことをしっかりと考えてくれているー。そんな姿は理想のリーダー像だと思います。

フォトラリーを実現するため、現在クラファンに挑戦中

プレイベントから DeruQui に相談してくれて、クラファンの先輩である秋元さんの協力も得ながら、11月の本番に向けて邁進中!

そんな野村さん、そしてあだたんを後押ししたいと思い、今回 DeruQui としてインタビューをお願いしました。

応援したいと思った方はぜひクラファンを通じた支援をお願いします。
https://camp-fire.jp/projects/view/476338
Twitter : @adatantomatan
Instagram : @adatan.kochi

日高村とより密になり、精力的な魅力発信を

ー 今回の経験を野村さん個人、そしてあだたんとしてどう活かしていきたいですか?

個人としては「地域と関わった経験、ノウハウ」を、様々な場所での地域活性化を行っていく糧にしたいです。
あだたんとしては、今回の活動を大きな実績にしたいですね。実は日高村の中でもあだたんはまだまだ知名度がありません。しかし今回フォトラリーという大きなイベントを、しかもクラファンを使って実現することができれば、大きな実績と知名度が得られると考えています。そうすれば、来年以降後輩が日高村の中でより活動しやすくなり、精力的に魅力を発信していけるのではと期待しています。

ー フォトラリーの先もしっかりと見据えていて素晴らしいですね! 3 人それぞれから、フォトラリーに向けた意気込みを聞かせてください

(野村さん)
繰り返しになりますが、この辛い状況でも温かく手を差し伸べ、これまで多くの学びをくれた日高村に、あだたん、そして 1 人の人間として恩返しをしたいです。魅力発信というあだたんの役割を十二分に活かしたフォトラリーをぜひ成功させたいですね。

(篠原さん)
コロナ禍でオンラインに行きがちなところを、あえて現地での対面型イベントにこだわり、苦労のど真ん中を野村さんはリーダーとして突き進んでいます。そんなリーダーに右腕と言ってもらえることが嬉しく、最後まで右腕としてリーダーを支え、フォトラリーを実現したいです!

(石川さん)
1 回生ということで最初は単に来年以降に向けて学ぶ機会と思っていました。しかし日高村の魅力、そして野村さんのパッションに触れる中で、自分自身にも火が付きました。それを原動力に、悔いのないようやりきりたいです!

ー 最後にこの記事を読んでくれた皆さんへのメッセージを、動画でどうぞ!

編集後記

DeruQui のゼミでは野村さんの一面しか見れていなかったというのが率直な感想です。サーバントリーダーとしてチームをまとめ、メンバからも尊敬される姿を見れたことは、私にとってこのインタビュー最大の収穫かもしれません。今回の挑戦がどういう形で結末を迎えるか分かりませんが、やりきることでどれだけ成長するのか、本当に楽しみです。
3 人それぞれが本当に日高村を愛していることも伝わり、ぜひ高知県、そして日高村に行ってみたいです。あだたんの皆さん、インタビューありがとうございました! (2021/9/28 松井)